株式会社ファンケルは、2014年からビタミンDの機能性研究を進めています。2018年には、ビタミンDの代謝物である 25-ヒドロキシビタミンD(以下25(OH)D)(1)を摂取すると血中25(OH)Dの有意な上昇と、風邪(上気道感染症)の症状を軽減する可能性を確認しております(2)。さらに、本研究データがメタアナリシス(3)に採用され、学術雑誌「The Lancet Diabetes & Endocrinology」において、ビタミンDを摂取することで急性気道感染症の発症を予防することが報告されました(4)。このように昨今ビタミンDが注目されていますが、2020年6月にコロナ禍による外出自粛の影響を調べるため、当社従業員のビタミンD充足度を調査したところ、62.1%がビタミンD欠乏であることが確認されました(5)。ビタミンⅮは脂溶性ビタミンで、食事からの摂取に加えて日光に当たることで皮膚で産生されます。冬期になるにつれ日照時間が短くなり、食品(食事やサプリメントなど)で補わなければ、体内のビタミンDがさらに低下することが想定されます。こうした科学的な事実を踏まえ、2020年10月に従業員の健康を守ることを目的に「ビタミンⅮ」を無料配布いたしました(6)。その後、改めて2021年1月に従業員のビタミンD充足度を再度調査した結果、ビタミンD欠乏者が大幅に減少しました。本リリースは再度調査した内容について詳細を報告します。(PRTIMES)
<今後の展開>
今後もビタミンDの欠乏や不足を解消する方法や商品を提供することで、お客様の生涯を通じた健康の維持や増進に貢献してまいります。
【用語説明】
※1:25-ヒドロキシビタミンD(25(OH)D)はビタミンDの生体内代謝物の一つであり、ビタミンDの充足状態の指標として用いられている。
※2:Y Shimizu, Y. Ito, K. Yui, K. Egawa & h. Orimo, Intake of 25-hydroxyvitamin D3 reduces duration and severity of upper respiratory tract infection: A randomized, double―blind, placebo―controlled, parallel group comparison study. The journal of nutrition, health & aging. 2018;22:491–500.
※関連情報: https://www.fancl.jp/news/pdf/20180521_25ohdkazenoshoujougakeigen.pdf
※3:複数の研究結果を統合して分析する方法。ランダム化比較試験のメタアナリシスは最も質の高い科学的根拠とされる。
※4:D A Jolliffe et al. Vitamin D supplementation to prevent acute respiratory infections: systematic review and meta―analysis of aggregate data from randomised controlled trials. The Lancet Diabetes & Endocrinology. Online First
※5高野ひとみ 他. 「新しい生活様式」の在宅勤務における各種パラメータと血清25―hydroxyvitamin D 濃度の関連性―横断研究―」 ビタミン.2021;95(1):12―19.
※関連情報: https://www.fancl.jp/news/pdf/20201203_bitaminndnozyuusokudo.pdf
※6:関連情報: https://www.fancl.jp/news/pdf/20201007_bitamindhaihu.pdf
※7:2017年に発表された「ビタミンD不足・欠乏の判定指針」より、血中(OH)D濃度30ng/mL以上をビタミンD充足、20ng/mL以上30ng/mL未満をビタミンD不足、20ng/mL未満をビタミンD欠乏と判定した。