DSM、代謝型ビタミンD3製剤「ampli-D®」をアジア太平洋地域で発売

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食品由来ビタミンD3 に比べ3倍速く血中ビタミンD濃度を向上

栄養、健康、サステナブルな暮らしの分野で事業を展開するグローバル・サイエンス企業Royal DSMは、世界中で広がる免疫の健康に関する懸念とニーズに対応するため、アジア太平洋地域のサプリメント市場に向けて、食品に含まれる一般的なビタミンD3に比べて3倍速く血中ビタミンD濃度を引き上げる代謝型ビタミンD3製剤「ampli-D®」を上市しました。本製品はオーストラリアで既に販売を開始、まもなくシンガポールでも上市予定です。その後、他のグローバル市場でも順次上市していきます。(PRTIMES)

ampli-D®の成分は人の体内に存在する代謝型ビタミンD3、25-ヒドロキシコレカルシフェロール(別称カルシフェジオール、以下25OHD3 と略す)です。研究と臨床試験により、一般的なビタミンD3(コレカルシフェロール)に比べて3~5倍速く血中ビタミンD濃度を引き上げることが報告されています [1] [1][2]。

ampli-D®は既にオーストラリア保健省薬品・医薬品行政局(TGA)の認可を受けており、オーストラリアにおいてサプリメント製造業者が自社サプリメント製品の成分として利用することが可能です。また、DSMはオーストラリアの消費者に向けて、FORTARO®というブランド名で、ampli-D®を使用した自社開発のサプリメント製品も発売開始しました。

「太陽のビタミン」として知られるビタミンDは、骨や筋肉の健康に関連していることが知られていますが、健康な免疫機能の維持にも寄与することが分かっており、現在その役割に対する認識が高まっています。ビタミンDは人々の健康とウェルビーイングにとって重要にもかかわらず、その不足・欠乏が世界的な課題となっています。ある研究では、世界人口の80%以上の人々の血中ビタミンD濃度が適切な水準を下回っていることが報告されています[3]。また別の疫学研究によると、体内でのビタミンDの生合成に必要な日光に恵まれているシンガポールにおいてさえ、国民の4人に3人が十分なビタミンDレベルに達していないことが示されています[4]。

ビタミンDは通常、日光によって体内で生合成され、食事、サプリメントから摂取されますが、多くの人は自分が十分な量を摂取できていないことに気づいていません。健康とウェルビーイングへの懸念が高まる今日、ビタミンDは免疫系の正常な機能に寄与する重要な微量栄養素です。さらに病原体に対する免疫反応、および急性呼吸器感染症のリスク低減において、ビタミンDが重要な役割を果たすことが複数の臨床試験およびメタアナリシスから立証されています[5] [6]。

ビタミンDは、供給源となる食品群が非常に限られている上に、体内で生合成するには直射日光を浴びる必要があるため、個人のライフスタイルによっては、十分なレベルの体内ビタミンD濃度を達成するのは難しい場合があります。ビタミンD3などの既存のビタミンDサプリメントや栄養強化食品を摂取しても、骨の健康や免疫などに直接影響する血中25OHD3濃度が健康なレベルに達するには、数か月かかる場合があります。

DSMニュートリショナル・プロダクツのニュートリションサイエンス&アドボカシー部門APACリージョナル、マネージャー乾 泰地は次のようにコメントしています。「ヒトの体内では、ビタミンDはまず肝臓で代謝され、25OHD3 となってから、さらに腎臓で活性化される必要があります。代謝プロセスはゆっくりとしたもので、ビタミンD栄養状態のバイオマーカーである血中25OHD3 濃度が望ましいレベルに達するまで数か月かかることもよくあります。ampli-D®はビタミンDの主要な循環形態である25OHD3 そのものであり、これがサプリメントとしても利用可能になったことで、体内の25OHD3 濃度を数か月ではなく数週間という短期間で適切なレベルに引き上げることが可能になります。」

最近のパンデミックにおいても、強く健康な免疫系の重要性が注目されています。2020年にDSMが24か国の12,000人を対象に実施した最近の消費者調査では、世界全体の回答者の65%が、健康上の懸念事項のトップ3の1つに免疫を挙げています。

DSMニュートリショナル・プロダクツのヒューマンニュートリション事業本部アジア太平洋地域担当バイスプレジデントAnand Sundaresanは次のようにコメントしています。「免疫機能を健康な状態に維持することは、人間の生涯を通じて不可欠です。そして現在は、適切な栄養摂取によって免疫の健康維持を心がけることがこれまで以上に重要になっています。世界に先駆けて当局の認可を得たオーストラリアを皮切りに、アジアパシフィック地域、さらにグローバル規模でampli-D®を上市し、またビタミン製剤として供給するのみならず、消費者が直接購入できるサプリメントとしても提供することで、当社は業界をリードする新しい栄養ソリューションの迅速な普及に力を尽くしています。」

日本でも、25OHD3 のサプリメントへの使用については、政府機関において審議中で、指定が得られ次第、製品の上市に向けて動いていく予定です。

ampli-D®に関する詳細情報はこちら(英文):
https://www.dsm.com/markets/human-nutrition/en-ap/products/vitamins/ampli-d.html

DSM – Bright Science. Brighter Living. ™

Royal DSMは、栄養、健康、サステナブルな暮らしの分野において意欲的に事業を展開する目的主導型のグローバル企業です。DSMは、すべての人々の生活を豊かにすることを目指しています。ステークホルダーの皆様、すなわちお客様、社員、株主の皆様、そして社会全体に対して経済的、環境的、社会的価値を創出しつつ、自社の製品とソリューションを駆使し、世界で最も重大な課題の解決に取り組んでいます。DSMは、食品や栄養補助食品、飼料、パーソナルケアおよびアロマ、医療機器、環境に配慮した製品および用途、新たなモビリティとコネクティビティの分野においてイノベーティブなソリューションを提供します。DSMおよび関連会社の年間の純売上高はおよそ100億ユーロで、社員数は約2万3,000名です。1902年に設立されたDSMは、Euronext Amsterdamに上場しています。詳細はwww.dsmjapan.comをご覧ください。

将来予測に関する記述
本プレスリリースには、DSMの将来の(財務的な)実績と状況に関して、予測に関する記述が含まれている場合があります。当該記述は、DSMの現時点での予想、推計、予測、および当社にとって現時点で入手可能な情報に基づいています。当該説明には予測困難な特定のリスクと不確実性が含まれるため、多くの要因により実際の業績と状況が当該説明と大きく異なるものになる場合がある点につきご留意ください。DSMは、本プレスリリースに記載された将来予測に関する記述について、法律により義務付けられる場合を除き、最新情報を提供する義務を負いません。

* 本リリースは2021年3月3日に DSM 社から発表されたプレスリリース「DSM launches three times faster-acting form of vitamin D supplement in Australia to support immune health」を抄訳したものです。本リリースの正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語が優先されます。 
(URL:https://www.dsm.com/corporate/news/news-archive/2021/2021-03-03-dsm-launches-three-times-faster-acting-form-of-vitamin-d-supplement-in-australia-to-support-immune-health.html )

【参考文献】
[1] Quesada-Gomez, J.M.; Bouillon, R. Is calcifediol better than cholecalciferol for vitamin D supplementation? Osteoporos Int 2018, 29, 1697-1711.

[1] Graeff-Armas, L.A.; Bendik, I.; Kunz, I.; Schoop, R.; Hull, S.; Beck, M. Supplemental 25-Hydroxycholecalciferol Is More Effective than Cholecalciferol in Raising Serum 25-Hydroxyvitamin D Concentrations in Older Adults. The Journal of Nutrition 2020, 150, 73-81.

[1] HIlger et al. A systematic review of vitamin D status in populations worldwide. Br J Nutr., vol. 111, pag. 23-45, 2014

[1] Ryan Eyn Kidd Man,1 Ling-Jun Li,1 Ching-Yu Cheng, Tien Yin Wong, Ecosse Lamoureux, and Charumathi Sabanayagam, Prevalence and Determinants of Suboptimal Vitamin D Levels in a Multiethnic Asian Population URL: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5372976/.

[1] Granted EFSA Health Claim; Calder et al 2020 Nutrients; Cannell et al 2005 Epidemiol Infect; Gombart et al 2015 Nutrients; Greiller et al 2015 Nutrients; Jolliffe et al 2013 J Steroid Biochem Mol Biol

[1] 2 Martineau, A. R., et al. (2017). “Vitamin D supplementation to prevent acute respiratory tract infections: systematic review and meta-analysis of individual participant data.” BMJ 356: i6583.